【SDGs企業に突撃取材#002】パラリンアート®で障がい者がアートで夢を叶える世界を作る支援を継続している「一般社団法人障がい者自立推進機構」松永さん

「ヒト」に対してSDGs取り組みをしている企業さんを突撃取材するこのシリーズ♪ 第二弾は、「パラリンアート®」という障がい者アーティストを応援する仕組みを作り上げた「一般社団法人障がい者自立推進機構」松永さんにお話しをお聞きしました。社会保障費に依存せず、障がい者支援を継続できる事業とは? ぜひご覧ください。

「一般社団法人障がい者自立推進機構」では、障がい者の社会参加を増やし、成功体験を創り、結果として障がい者の経済的自立を目指しています。また、障がい者の方だけにピックアップするだけではなく、世の中全体の意識改革も目指しており、障がいに対する周囲の理解やパートナー企業の理念に沿ったSDGs推進なども取り組みとして行っています。                                   

Q.今の事業を立ち上げたきっかけは何ですか?

A.「32歳のときに上京し、6人のスタッフで訪問リハビリマッサージをスタートし、2年後には正社員300名を超えていました。いつものように障がい者の方のご自宅に訪問したとき、その方が描かれたアート作品に出会ったんです。『このようなステキなアートが、自宅や施設に眠っているのはもったいない!光を当てたい!』そう思ったことがきっかけです。」

「また同時に、行政からの補助では限界があると感じていました。そこで、障がい者の方に作品データを登録していただき(原画は原則としていただいていません)、パートナー企業や個人の方がそのDATA(使用権)を買う、という仕組みをつくったんです。一人でも多くの障がい者の方に収入を送りたい、そんな気持ちで始めました。」

Q.苦労したことはありますか?

「8年ほどは、企業が協賛する理由が見出せず、協賛企業とアーティスト、両方に声をかける難しさを感じていました。また、『障がい者を使って儲けようとしているのではないか』と、警戒されたこともあります。海外では補助をした企業の名前が公園名になることがあるのに対し、日本ではCSR/SDGsの露出が奥ゆかしく、それに対しても違和感がありました。」

Q.ターニングポイントは何だったのでしょうか?

「PR(広報)として利用することに発想を転換し、ブランディングプロモーションからつながる障がい者支援に取り組むことにしました。『障がい者支援活動』というと閉鎖的なイメージがありましたが、これを変え『明るい福祉』を目指し、楽しく参加できる工夫をしたこともきっかけです。それらの結果、250社のスポンサーと700名以上のアーティストが参加してくれるほどの規模になりました。」

Q.活動を通じてどのようなことが得られましたか?

「大手企業にアート作品が採用されることで、障がい者やそのご家族の誇りになります。これまでは障がいを隠すような雰囲気がありましたが、一転、障がいに対する肯定感が高まったんです。障がい者本人たちの自信ややりがいにつながっていることも大きな成果でしょう。」

Q.活動をする中で大切なことは?

「『障がい者がアートで夢を叶える世界を作る』というビジョンに向かって、チームがひとつになり、障がい者支援を継続できる社会型貢献事業を行っています。利益を残さなければ存続できないことも実感しているため、民間企業や個人の継続的な協力を得られるようにすることも大切ですね。」

Q.今後の展望や課題はありますか?

「日本では『人』に対しての慈善活動が遅れています。批評家が多く、実際に行動しない人が多い。日本全体の意識改革が課題です。また、健常者と障がい者のアート作品を分ける理由への理解が乏しいことも課題です。障がいがあるゆえのストロングポイントを作り、パラリンアート®の認知を広げていきたいと思います。そして、障がいのある方には、アーティストとしてのステップアップにパラリンアート®を利用して欲しいと考えています。」

取材したMUga/MUchuスタッフより

「創設理事の松永さんと話していると原画を預からないこだわりや、アーティストに収入を継続的に届けることへの熱い想いが伝わってきました。アートとビジネスを両立する手腕に脱帽です!」

さいごに…

SDGsに取り組んでいる「一般社団法人障がい者自立推進機構」松永さんにお話しをお聞きしました。障がい者の方の中には、芸術に長けている方も少なくありません。パラリンアート®が広がり、芸術好きな方のサポートかつ自立支援の輪が広がっていくことをMUga/MUchuでも応援しています♪

[*INFO*]

MUga-MUchu 公式サイト

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