【SDGs企業に突撃取材#012】障がい者雇用率12.6%*エコトレーを通じて障がい者雇用を生み出す「株式会社エフピコ」さま

ヒトにスポットを当てたSDGs取り組みについて取材する「突撃取材第12弾」は、食品トレーのリーディングカンパニー「株式会社エフピコ」様にお話をお聞きしました。障がい者雇用率12.6%と、積極的に雇用をしているその想いや取り組みについてご紹介いたします♪

1962年、福山で創業した株式会社エフピコ様は今年で60周年。半世紀以上という長い間、発展し続けられたその秘訣とは? 株式会社エフピコ様の想いである「新たな価値を創造し、豊かな社会の実現」に向けて行っていることをお聞きしました♪

Q.どのような会社なのでしょうか?

A.「スーパーなどで扱っている食品トレー容器を製造する会社です。デザイン性と機能性に優れた製品を提供し続けた結果、現在、日本のシェア30%です。今、あなたのご自宅にある食品トレーも、もしかしたら当社製かもしれません。

あと、日本で初めて食品トレーのリサイクルを始めた会社です。社長直轄の専門組織『環境対策室』を設け、環境課題の解決に向けた取り組みを推進し、循環型社会の実現を目指しています。」

エコトレー

Q.障がい者雇用を開始したのはいつからですか?

A.「障がいのある人材の雇用をスタートしたのは1986年からです。障がいのある人材が、働いた給与を得て生きていく『当たり前』の社会実現を当時から想い描き、それから36年、継続的に雇用をし続け、現在の障がい者雇用率12.6%(知的障がい者が9割)となりました。主要な基幹業務で活躍し、やりがいを感じてもらえていると思います。」

Q.具体的に、障がい者の方の仕事内容はどのようなものですか?

A.「まず、自社の強みである使用済食品トレーのリサイクルの心臓部である手選別に携わってもらっています。当初、白トレーとカラートレーに分けたり、リサイクルに適さない『不適品』を取り除いたりする選別作業は機械で行っていましたが、精度と生産量に課題がありました。それを、障がいのある人材の方の手選別に変更したところ、効率も精度も上がったのです。これが全国でリサイクル選別のための雇用が広がるきっかけになりました。」

使用済み食品トレー選別の様子


A.「あとは、『折箱』の制作も担当しています。折箱の組立は手作業も多く、集中力がある障がいのある人材の能力が活かせる場になっています。事業が発展していく中で、障がいのある人材の活躍の場が広がっています。」

障がいのある社員が作った折箱

Q.結果として、どのようなことが得られましたか?

A.「障がいのある人材の『個性』を活かした職場の創出ができていると感じています。一口に障がいといっても様々なケースや個性があります。その人の障がいをあるがままに受け入れ、適材適所の徹底ができていると思います。」

A.「会社全体の包容力(インクルージョン)もアップしているように感じます。社員同士が尊重する気持ちが生まれたり、障がいのある人材自身の『自分が作った物が世の中に出回っている』という喜びと責任感が生まれたりしています。創業者の小松は、『障がいのある人を雇用するとその家族まで幸せになれる』と言っていました。サスティナブルは優しい気持ちから生まれるものなのでしょう。」

折箱組み立ての様子

Q.今後の課題はありますか?

A.「社内でのキャリア形成と社会でのキャリア形成(人生)をサポートしていきたいと考えています。長く働いている人や個人に合わせたキャリア形成を考えたいですし、定年後の社会生活(地域でのサポート)、すなわち雇用から福祉も大きな課題で、これは社会全体で取り組む必要があります。当社を卒業したあとも、尊厳を持って人生を謳歌してほしいですから。」

取材したMUga/MUchuスタッフより

30年以上前から障がい者雇用を進めてきた株式会社エフピコ様。創業者の小松さんの「障がいのある人材の雇用を生むとその家族まで幸せになる」という考え・包容力が礎になっているからこそ、日本を代表するリーディングカンパニーへと成長したのだと確信しました。
その後(エフピコ様を卒業後)の人生に尊厳を持って生きていけるように、という次のキャリアまで課題として捉えていることも素晴らしいと感じました!

[取材協力]

株式会社エフピコ

[*INFO*]

MUga-MUchu 公式サイト

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