時給179円の現実＊障がい者給料を上げるためには?[障がい者手作りスイーツブランドMUga/MUchu]
就労継続支援B型作業所の工賃（お給料）は、時給換算すると179円（※1）という現実をご存じですか？例え健常者と同じような作業をしたとしても、最低賃金は保証されません。
なぜ、障がいのある方の給料は低いのでしょうか？そして、給料を上げるためにはどうしたらいいのか、私たちなりに考えたことをお伝えします＊
就労継続支援B型とは？時給179円となる理由
なぜ、就労継続支援B型作業所を利用する方の時給が179円（※1）相当なのでしょうか？解説します＊
■就労継続支援B型とは？
障がいがある方の就労を支援する福祉サービスとして、就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型があります。
その中の「就労継続支援B型」は、雇用契約を結んで働くことが困難な方が、短時間など自分のペースで働くことができる作業所です。給料は工賃として支払われます。
■時給179円となる理由
大阪府の就労継続支援B型の工賃平均は全国最下位で、12,142円（※1）なんです。
これを時給に換算すると179円。
「あれ？最低賃金って992円（※2）じゃなかったっけ？」と思った方もいるでしょう。
就労継続支援B型の作業所では利用者と雇用契約を結ばないため、法律で定められた最低賃金は守られないのです。
「雇用契約を結ばない」ということは、継続して働くことが難しい利用者にとってメリットになることもありますが、給料が低くなるという現実があります。
就労継続支援B型作業所を利用している方が給料を上げるためには？
就労継続支援B型の工賃平均が低いことをお伝えしました。それでは、就労継続支援B型作業所を利用している方が給料を上げるためには、どうしたらいいのでしょうか？
■就労継続支援A型作業所への移行
就労継続支援A型の平均月収は81,743円（※1）です。就労継続支援B型よりも高い給料を期待できますが、就労継続支援A型の利用条件のひとつに「雇用契約の内容にもとづいて継続的に働くことができる方」というものがあります。
就労継続支援A型では、事業所と雇用契約を結び、一般就労に近い環境で働くことになります。
就労継続支援A型は最低賃金は確保されているのですが、働いている時間は健常者の半分ほど。利用者が長時間労働できないという要因もありますが、それだけの仕事を供給できていない、という要因もあるんです。
■就労移行支援を活用
障害者総合支援法で定められている福祉サービスのひとつに「就労移行支援」があります。「就労継続支援」と名前が似ているため混合されがちですが、まったく異なる福祉サービスなんです。
就労移行支援とは、障がいのある方が働くために必要な知識やスキルを習得し、一般企業に就職できるように支援することです。就労移行支援施設はトレーニングの場のため、原則として賃金は発生しません。就労移行支援を経て、一般企業に就職できれば、安定した収入が見込めます。
■就労継続支援B型での経済状況を向上（MUga/MUchuの取り組み）
就労継続支援B型作業所に安定した仕事があり、価値を高めることができれば、そこで働く利用者の方の給料を上げることができるのではないか、と私たちは考えています。
作業所の職員さんたちは福祉のプロで日々の主なお仕事は利用者さんのサポートのため、企業から安定して仕事を取る、といった取り組みは難しいことが現状でしょう。
そこで、「障がい者手作りスイーツブランドMUga/MUchu」がビジネスとして確立させることで、安定して作業所に仕事依頼ができれば、結果的に作業員の方の給料向上につながるのではないかと考えています。
もっと言えば、この想いが拡がり、社会全体としての取り組みになればと考えているのです＊
さいごに…
大阪府の就労継続支援B型の工賃平均は全国最下位で、時給に換算すると179円（※1）という現実をお伝えしました。障がいのある方の給料を上げることで、その人のやりがいや役割につながれば…という想いで「障がい者手作りスイーツブランドMUga/MUchu」は取り組んでいます。
『今の社会では、障がい者は光の当たりにくい存在で、その努力は見えにくい。
しかし、無心で手を動かせばいつか光が差し、夢に手が届く。
障がい者がお菓子作りに“無我夢中”になる。
そのお菓子を食べる人もそのひとときに“無我夢中”になってほしい。』
MUga-MUchu にはそんな想いが込められています。
[＊INFO＊]
▶障がい者手作りスイーツ「ブールドネージュ」好評発売中＊STORES
[参考]